高齢犬がかかりやすい病気について、以下の5つを詳しくご紹介します。
1. 関節炎(Arthritis)
関節の炎症や硬化により、動きが鈍くなり、痛みを感じやすくなります。愛犬が最近寝ていることが多い場合、痛みで動きたくないのかもしれません。また、体重の増加も関節炎を悪化させる原因のひとつです。適正体重を維持することが予防の一環となります。さらに、フローリングなど滑りやすい場所では、滑り止めのマットを敷いてあげると良いでしょう。
2. 歯周病(Periodontal Disease)
歯肉の炎症や歯の周囲の感染症により、歯の脱落や痛み、口臭が発生します。ひどくなると、ご飯を食べられなくなることや、歯がほとんど抜けてしまうこともあります。予防には以下の方法が効果的です:
- 食後の歯磨きを習慣にする
- ウェットフードではなく、できるだけドライフードを与える
- 食後に水を飲ませる
3. 心臓病(Heart Disease)
特に僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症が一般的で、咳、疲れやすさ、呼吸困難などの症状が見られます。小型犬は高齢になると心臓病を発症する確率が高いです。予防方法はありませんが、早期発見と治療が重要です。定期的な診察での聴診や、咳の症状が出た場合は早めに動物病院を受診しましょう。
また、予防できる心臓病としてフィラリア症があります。
フィラリアは蚊によって媒介される心臓に寄生する虫です。毎月の予防で寄生を防げるのでしっかりお薬で予防してあげてください。
4. がん(Cancer)
高齢犬に多く見られる病気です。早期発見と適切な対処で助かるケースも多いですが、気づくのが遅れると手遅れになることもあります。予防方法は確立されていませんが、日頃から愛犬の体をよく触り、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診することが大切です。
5. 多飲(Polydipsia)
多飲はさまざまな病気の症状として現れます。代表的な病気は以下の3つです:
糖尿病
インスリンが適切に生産されない、または効きづらくなることで血糖値が下がらなくなる病気です。体重減少や食欲の変化(増加または減少)、ひどい場合は昏睡状態になることもあります。
腎臓病
腎臓がうまく機能しなくなり、老廃物を尿に排出できなくなる病気です。
クッシング症候群:
コルチゾールというホルモンが過剰に分泌される病気です。お腹が大きくなる、皮膚が薄くなる、筋力低下、パンティング(息切れ)などの症状が見られます。
これらの病気は早期発見が重要です。愛犬の健康を守るために、定期的な健康診断と注意深い観察を心がけましょう。