犬のフィラリア症は犬を飼ったら必ず予防しておきたい病気の一つです。
この記事では犬のフィラリア症について、初めて犬を飼われる方でもわかりやすく解説していきます。
犬のフィラリア症とは?
犬のフィラリア症は、蚊を介して感染する寄生虫による病気です。感染すると命に関わることもある、とても怖い病気ですが、きちんと予防を行えば高い確率で防ぐことができます。そのため、必ず予防してほしい病気のひとつです。
数十年前までは、フィラリア症によって命を落とす犬も多くいました。しかし近年は予防が広く普及し、感染する犬は少なくなってきています。それでも、私が診察している九州では、今でも毎年数頭のフィラリア症の犬を診察しています。
予防方法は決して難しくありません。
フィラリア症について正しく知り、大切な愛犬を守るために、しっかり予防を続けていきましょう。
- 蚊から感染する病気
- 感染したら治療がとても大変
- 予防すればほぼ100%防げる
フィラリア症の症状
犬のフィラリア症で代表的なものを紹介します。

フィラリア症感染初期
- 軽い咳
- 疲れやすい
慢性期
- 息切れしやすい
- ひどい咳
- 食欲不振
- 呼吸困難
- 体重減少
重症化
- お腹が膨らむ
- 血尿
- 貧血
- 虚脱
獣医さんフィラリア症は感染すると命を落としてしまうリスクのある怖い病気です。治療するのも大変で、お金もたくさんかかります。
ですので、フィラリア症は予防することがとても大切な病気なのですよ。
フィラリアの感染経路
フィラリアは蚊から感染します。
感染ルートを見てみましょう。
フィラリアに感染している子の血管にはフィラリアの幼虫がたくさん流れています。
蚊は血と一緒にその幼虫を吸って身体に取り込みます。
吸い上げられた幼虫はこのままでは、次の犬に感染できません。ですので蚊の中で次に感染できる状態になれるように成長します。
感染した蚊が他の犬を刺すと、フィラリアの感染が成立





つまり、感染している犬と蚊がいないと感染は成立しないんです。
数十年前と比べてフィラリア感染が少なくなったのは、予防が広がったこともありますが、感染している犬が減ったからでもあります。
しかし、診察していると年に数回はフィラリア症の子は診るので油断せず、予防はしっかり行ってくださいね。
フィラリアの予防方法
フィラリア症は予防薬で予防します。蚊に刺されないようにする薬ではなく、フィラリアの幼虫を駆虫する薬です。
予防時期について
フィラリアか蚊から感染するので、蚊が出る時期に合わせて予防します。


蚊に刺されることでフィラリアが犬の体に入り、数か月かけて成長し、最終的に心臓に寄生します。
フィラリア予防薬は、体内に入ったばかりの小さいうちのフィラリアを退治する薬です。
フィラリアは数カ月かけて成虫になるので、成虫にならないように毎月予防し続けることでフィラリアの成虫が心臓に寄生することを予防しているんですよ。



成虫になると心臓に寄生して心臓病を起こすのに加え、どんどん小虫を生んで体内でどんどん増えます。
だから小虫のうちにやっつけることが大事です。
蚊が出る時期は年度や地域で異なります。その年によってお近くの動物病院でお尋ねください。
予防薬について
フィラリアの予防薬にはたくさんの種類があります。
- お肉タイプ
- スポットタイプ(背中に垂らす)
- 錠剤
- 注射
- オールインワン(ノミ、マダニも一緒に予防)
基本的には1ヶ月ごとに予防薬を投与しますが、注射薬は1年間効くものもあります。



飲ませるのが大変、ついつい投与を忘れちゃう方などは特に注射での予防は便利ですよ。
フィラリアの診断方法
フィラリアの診断は血液検査でわかります。
動物病院で血液を少量採血して、10分くらいで結果がでるのでフィラリア予防が始まる月に必ず検査をしてから予防薬を投与してください。
フィラリアの成虫が感染している状態で予防薬を投与するとショック状態に陥ることがあります。毎年、予防薬を投与する前にかならず動物病院で検査を受けてください。
フィラリアに感染してしまっている場合
- 最近フィラリアの予防をしていない
- 愛犬に咳が目立つ
- お腹が張っている
- 食欲低下
これ、もしかしてフィラリア症の症状かもしれません。
フィラリア症に感染している場合は、自己判断で予防薬を与えるのは絶対にやめてください。
フィラリア症になってもできることはあります。
動物病院で健康状態の確認
まずは、動物病院でフィラリアの感染の有無と重症度を確認します。
もし、感染していた場合は大きく次の2つの目的で治療をしていきます。
①フィラリア虫に対する治療
フィラリアの成虫はすぐには居なくなりませんが、寿命はあります。
動物病院で、駆虫の薬をもらいながら新しく生まれるフィラリアの幼虫は駆虫し、成虫の寿命を待つ方法が現在は治療のスタンダードです。



フィラリアの成虫の寿命が尽きても便から排出されるわけではありません。また、一気に死ぬと血管や肺に詰まり臓器障害を起こす可能性もあります。
結局は感染しないことが一番なんです。
また、毎月のフィラリアの予防薬を投与する場合、感染していない子に比べて犬の体内で多量のフィラリアの小虫をやっつけることになります。一気に小虫が死ぬと犬はショック状態に陥ることがあるので、投与方法は近くの動物病院に相談されてください。
②身体の負担を減らす治療
フィラリアに感染すると、心臓・肝臓・腎臓に大きな負担がかかります。
とくに心臓にはフィラリアの成虫が住みつくため、心臓を傷つけたり、動きを悪くして心臓病の原因になるんです。
そのため、心臓への負担をできるだけ減らすために、犬の状態に合わせた心臓の薬を使ってなるべく負担をへらすようにしていきます。


また、心臓が悪いためお腹に水が溜まって、ご飯が入らないこともあります。この場合、状態によってはお腹の水を抜く処置をすることもありますよ。



心臓の薬や腹水への対処はフィラリアをやっつける治療ではなく、現在の症状に対する対処療法です。フィラリアが身体からいなくなる前に命をおとしてしまう子も少なくありません。
犬のフィラリア症まとめ
犬のフィラリア症はかかってしまったらとても大変です。治療にはたくさんのお金がかかりますし、命をおとしてしまうかもしれません。
予防方法は次の通り。
- 現在感染がないか血液検査でチェック
- 感染がなかったら体重に合った予防薬を投与
- 蚊が出終わる季節まで続ける(地域によって変わるがだいたい12月まで)
フィラリア症は予防できる病気です。愛犬を守るため毎年しっかり予防してください。



