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ソファにも、カーペットにも、洋服にも。気づけば部屋中、愛犬の毛だらけ。
「掃除しても掃除しても、追いつかない…」 換毛期のたびに、そんなため息をついていませんか?
実は犬の抜け毛、放っておくと部屋が汚れるだけでは済みません。 毛玉や皮膚炎など、愛犬の健康トラブルにつながることもあるのです。
この記事では、現役獣医師が犬の換毛期の仕組みと、正しい抜け毛対策を詳しく解説します。
- 換毛期の仕組みと抜け毛が多い犬種
- 抜け毛を放置するリスク
- 正しいブラッシングのやり方
- ブラシの種類と使い分け
- 老犬・寝たきり犬の毛のケア
換毛期とは?犬の毛が生え変わる仕組み

換毛期とは、犬の毛が大量に生え変わる時期のこと。
主に春(5〜7月頃)と秋(9〜11月頃)の年2回訪れます。
- 春の換毛期:冬毛が抜けて、通気性のよい夏毛に
- 秋の換毛期:夏毛が抜けて、保温性の高い冬毛に
つまり換毛期の抜け毛は、季節に合わせた「衣替え」のようなもの。 病気ではなく、自然な生理現象なのです。
抜け毛が多い犬種・少ない犬種
犬の毛には「ダブルコート」と「シングルコート」の2タイプがあります。
✅️ダブルコート(抜け毛が多い)
オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の二重構造。 換毛期にはアンダーコートがごっそり抜けます。
✅️シングルコート(抜け毛が少ない)
アンダーコートがない、またはごく少ない一重構造。 換毛期の抜け毛は目立ちませんが、毛が伸び続けるためトリミングが必要です。
獣医さんシングルコートは「抜けない」のではなく「換毛期がない」だけ。季節に関係なく年中少しずつ抜けます。ただ、急にごっそり抜ける・皮膚が見えるほど抜ける場合は病気のサインかもしれないので、診察を受けてください。
抜け毛を放置するとどうなる?3つのリスク
「ブラッシングはたまにでいいか」と思っていると、思わぬトラブルを招いてしまいます。
1. 毛玉ができて皮膚炎に
抜けたアンダーコートが残ったままだと、毛が絡まって毛玉に。
毛玉の下は通気性が悪く、湿気がこもりやすい状態です。 そこに雑菌が繁殖し、皮膚が赤くただれてしまうことがあります。
ひどくなると、毛玉が皮膚を引っ張って痛みが出ることも。 毛玉を無理に引っ張ってハサミで切ろうとして、皮膚まで切ってしまう事故も少なくありません。
2. 体温調節がうまくできなくなる
抜けるはずの冬毛が残っていると、熱がこもりやすくなります。
特に夏場は熱中症のリスクが上がってしまうのです。 換毛期にしっかり毛を取り除くことは、暑さ対策にもつながります。


3. 皮膚の異常に気づきにくくなる
毛が密集したままだと、皮膚の状態が見えません。
しこり・赤み・フケ・寄生虫。 ブラッシングは、こうした異常を早期発見できる健康チェックの時間でもあるのです。



診察で毛玉を取ったら、その下の皮膚が真っ赤にただれていた…というケースは本当に多いです。飼い主さんは「毛玉があるだけ」と思っていても、皮膚はSOSを出していることがありますよ。
正しいブラッシングのやり方


頻度の目安
- 換毛期(ダブルコート):毎日〜2日に1回
- 通常期:週2〜3回
- シングルコート:週1〜2回+定期トリミング
基本のやり方
力を入れすぎると皮膚を傷つけてしまいます。手首の力を抜いて、なでるように。
嫌がりにくい背中から始めて、徐々に範囲を広げましょう。
皮膚が薄くデリケートな部分。短時間で済ませるのがコツです。
一度に全身やろうとせず、「今日は背中だけ」でも大丈夫。
ブラッシング=嫌なこと、と覚えさせないことが何より大切です。



ブラッシング嫌いの犬の多くは、過去に「痛い思い」をしています。
毛玉を無理に引っ張られた、長時間押さえつけられた…。
おやつをあげながら短時間で切り上げて、「ブラッシング=いいことがある時間」に上書きしてあげてください。
ブラシの種類と使い分け
| ブラシ | 得意なこと | 向いている犬 |
|---|---|---|
| スリッカーブラシ | 毛玉ほぐし・もつれ取り | 長毛種・巻き毛 |
| コーム | 仕上げ・毛玉チェック | 全犬種 |
| ラバーブラシ | マッサージ・短毛の抜け毛 | 短毛種 |
| ディシェダー | アンダーコートの除去 | ダブルコートの犬 |
換毛期の主役は「ディシェダー」
換毛期にごっそり抜けるのは、内側のアンダーコート。
スリッカーブラシだけでは表面の毛しか取れず、奥のアンダーコートが残ってしまいます。
そこで活躍するのがディシェダー。 奥に埋もれた死毛(抜けるべき毛)をかき出して取り除く、換毛期専用の道具です。
ディシェダーを使うメリット
- 一度のケアで取れる毛の量が圧倒的に多い
- シャンプー前に使うと、洗いやすく乾かす時間も短縮
- 毛玉の予防になり、皮膚トラブルを防げる
- 部屋に落ちる毛が目に見えて減る
✅️使い方のポイント
- 毛の流れに沿って、力を入れずにすべらせる
- 同じ場所を何度もやりすぎない(やりすぎると皮膚を傷めます)
- 週1〜2回、換毛期は2〜3日に1回が目安
【獣医師開発】Pukyiaのディシェダー
当サイトを運営する獣医師が、診察の現場から開発に関わったディシェダーです。
シャンプーのたびに毛が排水口に詰まって大変
老犬の毛玉がひどくて、皮膚が赤くなってしまった
診察室で何度も聞いてきた、こうした飼い主さんの悩みから生まれました。
✅️Pukyiaディシェダーの特長
- 獣医師が皮膚を傷めにくい刃の角度を監修
- アンダーコートだけを効率よく除去
- シャンプー前の使用で、洗う・乾かす時間を大幅に短縮
- 寝たきりの老犬の清潔維持にも


- 獣医師が皮膚を傷めにくい刃の角度を監修
- アンダーコートだけを効率よく除去
- シャンプー前の使用で、洗う・乾かす時間を大幅に短縮
- 寝たきりの老犬の清潔維持にも
老犬・寝たきり犬の毛のケア


シニア犬にとって、ブラッシングは見た目以上に大切なケアです。
老犬こそ毛のケアが必要な理由
自分で毛づくろいできなくなる
年を取ると体が硬くなり、自分で体を舐めて整えることが減っていきます。 その分、毛玉や汚れがたまりやすくなってしまうのです。
シャンプーの負担を減らせる
老犬にとって、シャンプーは体力を消耗する一大イベント。 日頃からブラッシングで毛と汚れを取っておけば、シャンプーの回数や時間を減らせます。
血行促進とスキンシップに
ブラッシングは皮膚への優しいマッサージ。 血行がよくなるだけでなく、しこりや皮膚の異常に早く気づくきっかけにもなるでしょう。
寝たきりの犬の場合
寝たきりになると、床に接している面が蒸れて、毛玉と皮膚炎ができやすくなります。
- 体位を変えるタイミングでブラッシング
- 接地面(脇腹・お尻まわり)を重点的に
- 短時間ずつ、こまめに



寝たきりの犬の毛玉は、ムレの原因になります。毛玉の下は通気が悪く湿気がこもりやすいので、皮膚炎を起こしやすくなるのです。
「もう寝たきりだからお手入れしなくていい」ではなく、寝たきりだからこそ毛のケアが大切なのです。


よくある質問
- 換毛期じゃないのに大量に毛が抜けます。病気ですか?
-
左右対称に毛が抜ける・皮膚が見えるほど抜ける・かゆがる・皮膚が赤い、といった場合は、ホルモンの病気や皮膚炎の可能性があります。早めに動物病院を受診してください。
- ディシェダーは毎日使ってもいいですか?
-
毎日の使用はおすすめしません。やりすぎると必要な毛まで抜けたり、皮膚を傷めたりすることがあります。換毛期でも2〜3日に1回が目安です。
- シャンプーで抜け毛は減りますか?
-
シャンプー自体に抜け毛を減らす効果はありませんが、シャンプー前にディシェダーで死毛を取っておくと、その後に部屋へ落ちる毛がぐっと減ります。
順番は「ブラッシング→シャンプー→乾かしながらブラッシング」が基本です。
まとめ
犬の抜け毛対策は、お部屋をきれいに保つためだけのものではありません。
- 換毛期の抜け毛は自然な「衣替え」
- 放置すると毛玉・皮膚炎・熱中症のリスクに
- ダブルコートの犬にはディシェダーが効果的
- 老犬・寝たきり犬こそ、こまめな毛のケアを
ブラッシングの時間は、愛犬の体に毎日触れて、小さな異常に気づける大切な時間。
換毛期を「掃除が大変な季節」から、「愛犬とじっくり向き合う季節」に変えていきましょう。
この記事が、抜け毛に悩む飼い主さんのお役に立てれば幸いです。

