犬のおすわりの教え方【獣医師解説】3つの方法とできない時の対処法

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愛犬のおすわり、出来てますか?

ごはんの前だけ出来ます。

ちょっと待って、それはもったいない!

この記事をみると、おすわりが大切な理由がわかります。今日から正しいおすわりができるように学んでいってください。

この記事でわかること
  • 犬におすわりを教える3つの具体的な方法
  • おすわりがなぜ重要か(獣医師の視点から解説)
  • おすわりができない・覚えない時の原因と対処法
  • 子犬・成犬それぞれへのアプローチ
  • 条件反射レベルまで定着させるコツ
目次

1. 犬のおすわりはなぜ重要なの?

おすわりって、実はかなり奥の深いコマンドなんです。おすわりを極めれば愛犬ともっと信頼関係が深まりますし、人や犬にとってとても生きやすい社会になります。

おすわりが重要な4つの理由

おすわりが重要な理由を簡単にまとめました。

  • 興奮を落ち着かせる「リセットボタン」になる
  • 「待て」「ふせ」など他のしつけの土台になる
  • 動物病院での診察がスムーズになる
  • とっさの場面で安全を守れる

興奮を落ち着かせる「リセットボタン」になる

おすわりを覚えると走ったり、ジャンプしていても物理的にその行動が止まります。だって、おすわりしているとできませんよね?

それが物理的に興奮を一時的に中断することができます。

ご飯の前は興奮してジャンプがすごくて…

来客時の飛びつきが困ってます。

などの心配はおすわりを覚えてもらうと便利ですよ。

「待て」「ふせ」など他のしつけの土台になる

「おすわり」は、しつけの土台になります。例えば「待て」も「ふせ」もお座りの状態から始まることがほとんどです。

先ほど紹介したように走ってたり遊びに夢中になっている時におすわりをさせると興奮が一時落ち着くので、その状態から新しいコマンドを教えると犬の耳に入りやすいです。

おすわりが安定していれば、他のコマンドへの移行がスムーズになります。[(→「待ての教え方」はこちら)]

動物病院での診察がスムーズになる

おすわりが安定していれば動物病院での診察がスムーズになります。病院って苦手な子が多く、診察台で興奮して体重も測れない子も少なくありません。

これは動物病院に限らず、お家でのセルフチェックも同じ。おすわりした状態で身体を触ってなにか変わったことはないかな?耳の中は汚れてないかな?歯はどうかな?など、日々のチェックにも役立ちます。

獣医さん

ワクチンや定期検診だけでなく体調が悪いときにも動物病院にいくと思います。その時、少しでもリラックスした状態で診察できると本人も楽ですよ。

とっさの場面で安全を守れる

お散歩中で他の犬に飛びついたり、車に走っていきそうになったりと、そんなヒヤッとする場面でもおすわりが役に立ちます。

トラブルを防ぐためにどんな場面でもおすわりができると愛犬の身を守れるようになります。

獣医さん

待てと組み合わせて覚えると、車や他の犬が通り過ぎるまで動かずにじっとできるようになります。

おすわりを教える前に知っておくこと

早速おすわりの練習をしたいところですが、その前に覚えておいてほしい3つのことがあります。

言葉は短くわかりやすく

1つ目は言葉は短くわかりやすくをこころがけてください。

言葉は短い単語のほうが覚えやすいのは想像できますよね。それに加え、はっきりと伝えることも大事です。

おすわりが出来ないからと何度も連呼するのも良くないので気をつけましょう。何度も連呼して教えていると一度で実行しなくても数回言われているうちにおすわりすればいっか。と覚えてしまうことがあります。

また、はっきりわかりやすく伝えたら犬も自身をもって行動に移せます。さっき「おすわり」って言った?どうかな?と犬が迷うような伝え方はしないように心がけてください。

獣医さん

愛犬にはだらだらお話するのではなく、聞いてほしいことを短くはっきりと伝えると良いですよ。

犬の学習の仕組み

次は、何かを教える時に心がけてほしいのは、叱るのではなく「褒める」しつけです。

犬は、好ましい行動をした時に嬉しいことがあるとまたやりたい!と学習します。たとえば、おすわりのコマンドをした時にちゃんとすわれたらご褒美がもらえるとまたやろう!と思うようになりまた同じ用に繰り返してくれます。

例えば、叱ったらどうでしょうか。

好ましくない行動をしたら叩いたり、名前を呼んで叱ったら?

叩かれたら、手が嫌いになって手を噛むようになることもありますし、名前を呼んでしかったら名前が嫌いになるかもしれません。大きな声で叱ったら一緒に吠えてくれていると思ってエスカレートすることもあります。

トレーニングするのも、ご褒美を与えながら楽しくするほうが本人のやる気も出ますし学習の効率もよくなります。

何と言ってもトレーニングする時間も愛犬と一緒に楽しい時間にしたいですよね。

ご褒美について

ご褒美は、犬が喜ぶものなら何でもOKです。フードが好きな子はいつも食べているフードでOK。

フードだとイマイチ喜ばない子はおやつを使っても良いです。

ポイントは小さくちぎれてすぐ食べれるものだと良いです。トレーニングはご褒美のタイミングが大事です。サッとご褒美をあげれるようにいつまでも食べてたり、飲み込みづらいものは避けてください。

また、ご褒美は食べ物ではなくてもしっかり褒めてあげる。でも良いですよ。

トレーニングのタイミング

トレーニングのタイミングは犬が落ち着いているときがベスト。満腹すぎるとご褒美への反応が薄いだろうし、空腹すぎてもご褒美をみると興奮しすぎるかもしれません。

また、最初は家の中など刺激が少ない場所ではじめてください。集中できる環境や状態で始めると学習効率が上がりますよ。

トレーニング時間のポイントとしては長くダラダラやりすぎないこと。はじめはすぐに飽きちゃう子が多いので数分のトレーニングを毎日少しずつ積み重ねて行きましょう。

獣医さん

大事なことは、必ず成功で終わらせること。飽きて途中でやめちゃう状況にはならないように。トレーニングの終わりは簡単なレベルに落としてでも成功させて終わらせてください。

おすわりの教え方

おすわりの教え方にはいくつかありますが、今回は初めておすわりを練習する子が使いやすい方法を紹介します。

テンポよく教えていけるように、基本的にご褒美は一口で飲み込める小さいサイズが好ましいです。

獣医さん

大きい場合は手でちぎってあらかじめ小さくして用意してください。

①誘導していく方法

この方法が最も教えやすくおすすめです。

おやつなどのご褒美を使って動きを誘導して覚えさせる方法です。子犬にも成犬にも使いやすく初めておすわりを教えるならまずこの方法がおすすめです。

方法①-1おやつなどのご褒美で身体を誘導する方法

この方法は、おやつに視線を注目させておやつを目で追っていくと自然にお尻がつくのでそこで「おすわり」のコマンドを教える方法です。絵で説明したらこんな感じ↓

ステップ解説🐾

STEP
犬の前にしゃがみ、おやつを手に持ち鼻先でにおいを嗅がせる

フードが好きならフードでもOKです。

STEP
おやつをゆっくり頭の後ろ(耳の方向)へ移動させる

興味をもたせたまま、おやつに集中させてゆっくりと斜め上にあげていくように

STEP
犬がおやつを追いかけることで自然とお尻が地面につく

おやつを集中してみていると自然にお尻がつくようになります。

STEP
お尻が地面についた瞬間、おやつ等ですぐ褒める

おやつをやるタイミングはテンポよく。すぐに褒めてあげると、何に褒められたのか犬は理解しやすいです。

STEP
慣れてきたら動作の直前に「おすわり」と声をかける

ここもタイミングが重要。本当におすわりする直前に言うように心がけてください。

獣医さん

おやつを高く上げすぎると前足が上がって上手くいかないことがあります。鼻先に沿わせるように誘導しましょう。

方法①-2おすわりの形を強制的に作る方法

おやつで上手く身体を誘導できなかったら、強制的にからだに覚えさせていく方法があります。

STEP
まず、小さいおやつを何個か手に持っておきます。

リズムよくご褒美をあげていくので、タイミングが大事!はじめからおやつを持っておくと進めやすいです。

STEP
犬を太ももの間に寄せて、たった状態から自分のお腹で抑えて座るように促します。

お腹で犬のお尻をゆっくり押しておすわりの状態に持っていく

STEP
座ったタイミングで「おすわり」と声をかけてご褒美を与える

言葉をおぼえさせるように、座ったタイミングで何回も声をかけて練習してください。

獣医さん

この方法はおすわりの形が崩れてて、修正して覚えさせる時にも使えます。

②犬の自然な動きに合わせて教える方法

自分からおすわりした瞬間を見逃さず、ほめてあげる方法です。強制されずに褒められるので、犬にとってもストレスなく進めることができます。

STEP
タイミングを待つ

おやつなどご褒美を持ちながら犬の近くでリラックスして待つ

STEP
すかさず褒める

犬が自分からおすわりした瞬間にすかさず「いい子!」と褒めながらおやつを与える

「タイミング」が命です。座った瞬間0.5秒以内に褒めれるかどうかで定着速度が変わります。

STEP
繰り返し学習

繰り返すうちに「おすわり=ご褒美がもらえる」と学習していく

STEP
「おすわり」の言葉と結び付ける


定着してきたら、おすわりしそうなタイミングで「おすわり」と声をかけて結びつける

獣医さん

ここが一番のポイント!
座った瞬間を逃さずほめることが大切です。タイミングがずれると犬が混乱してしまうので、愛犬から目を離さないようにしましょう

③番外編 犬が考えて正解を探し出す方法

これは上級者向けですが、どんな行動を覚えるのにも応用ができますよ。

この方法はおすわりに近い動きを少しずつほめながら、最終形へ近づけていく方法です。

犬は、どうすれば褒められるのかな?と自分で考えながら行動していくのでより深い定着が期待できます。

STEP
待つ

何もしない状態でおやつを見せながら待つ

STEP
おすわりに近い行動を取ったらご褒美

犬が体重を後ろに移動させたり腰を少し下げたらほめてご褒美を与える

STEP
さらに、おすわりの行動に近づけていく

少しずつお尻が地面に近づくたびにほめることを繰り返す

STEP
完成

完全におすわりが完成したら大きくほめる

獣医さん

コツは「おすわり」と連続して言わないこと。長々と話すと犬は混乱してしまうので、短い言葉ではっきりと伝えましょう。

おすわりを定着させるステップ

おすわりができるようになったら次のステップ

 どんなタイミングや、場所でもできる

ここを目指していきます。

うちの子、ごはんとおやつの時だけはできるんだけど…

お家ではできるけど、お外ではできないんです。

こんな話はよく聞きます。それは、しっかりおすわりが定着できていないからなんです。

①おやつの回数を減らす

しっかり定着してきたらおやつの回数を減らしていきます。

でも、「減らす」はしても完全にゼロにはしないでください。「いつかもらえるかも」という期待感があることでおすわりのモチベーションを保つことができます。

まずはご褒美を10回中9回にしていく

ご褒美を10回中8回

ご褒美を10回中7回

こうやって減らしていけばご飯の前しかおすわりしない問題も解決でき、ご褒美を持っていないとっさの時にも対応できます。

獣医さん

ご褒美が完全にゼロの状態が続くと、どんどんできなくなる子が多いです。昔は出来てたんだけどなぁ?って方、思い当たることはあるのではないでしょうか。

②場所を段階的に変えていく

場所が変わると一時的にできなくなることがあります。これは「おすわり=リビングでやること」と学習しているためです。焦らず、新しい環境では初歩から練習し直す気持ちで取り組みましょう。

ステップ練習場所
STEP 1自宅のリビング
STEP 2自宅の玄関・廊下
STEP 3庭・近所の静かな場所
STEP 4散歩コースの途中
STEP 5公園など人・犬が多い環境

新しい環境でできないのは当たり前。

「前はできたのに…」と焦る必要はありません。おやつを上手につかって丁寧に進めましょう。

犬のおすわりができない・覚えない時の対処法

❶ おやつへの反応が薄い場合

おやつのランクを上げましょう。普段のフードではなく、チキンやチーズなどの高価値おやつに変えるだけで反応が大きく変わることがあります。

そもそも、普段から美味しいものをたくさんもらいすぎているのも原因かもしれません。身体のためにも毎日のおやつも見直してみましょう。

❷ じっとしていられない・興奮が強い場合

まず5〜10分の軽い散歩で体を動かしてから練習しましょう。また、練習時間を2〜3分に短縮し、成功体験を積ませることが先決です。

獣医さん

新しいことを覚えるには集中力が必要。疲れてしまってトレーニング終了にならないように、最後は成功させてトレーニングは終了するように。

❸ 途中まではできるが最後まで座れない場合

誘導の角度を見直しましょう。おやつを耳の真後ろではなく、やや後方斜め下に向けると腰が下がりやすくなります。

犬の視界に全く入らないと後ろを向くなど、おすわりの体勢になりにくいです。

しっかり犬の視界におやつを入れながら後方に誘導するとおすわりしやすいですよ。

❹ 成犬になってから教えている場合

成犬でも十分に覚えられますが、子犬より時間がかかることがあります。1日3回・各5分を目安に、根気よく続けましょう。焦りは禁物です。

❺ 特定の場所や人の前だとできない場合

まだまだ定着が不十分な状態です。

「定着させるステップ」で紹介した場所の段階的な変化を取り入れてください。また家族全員が同じコマンド (おすわり)・同じルールで一貫して練習することが重要です。

まとめ:犬のおすわりの教え方

「おすわり」は、愛犬の安全を守るためにも、日々の暮らしをより穏やかにするためにも、ぜひ身につけてほしい大切なしぐさです。

教え方は今回3つご紹介しましたが、どれが正解ということはありません。愛犬の性格やそのときのペースに合わせて、無理なく取り組んでいただければ大丈夫です。

声かけは落ち着いたトーンで一度だけ。うまくできなくても怒らず、できた瞬間をしっかりほめてあげてください。そのひと言が、愛犬の「またやりたい!」につながります。

何度やっても覚えてくれない…と感じる日もあると思いますが、焦らなくて大丈夫です。毎日の短い練習の積み重ねが、必ず愛犬との信頼関係を深めてくれます。楽しみながら続けてみてください。

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この記事を書いた人

動物病院で犬・猫の診療を行っています。
ペットの日々の生活が豊かになるヒントをお届けします。

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